【物語編】私って大変!と被害者ぶる人が持つ、たった1つの共通点とは?


【この物語はフィクションです】


今日の夜空は曇っていて視界が悪い。そんなときにはこっちの気分も落ち込んでしまう。


そういえば、最近の日課になりつつある井上くんとのおしゃべり。もうすぐやってくるはずだ、、、


「こんばんは。」


「おっ、今日はスーツ姿じゃないか。誰かと思ったよ。」


「はい、さっきまでバイトをしていたんで。」


数週間前の井上くんとはまるで別人だ。あのときはだらしなくて見ていられなかったのにな。


「ずんぶんと疲れた顔をしているな、バイトのせいか?」


「いや、バイトではそんなに疲れないんですけど、一緒に働いている人がちょっと、、、」


「関係がうまくいっていないのか。」


「うまくいっていないというか、なんかその人と話していると疲れるんです。」


「ほう、どんな人なんだ?」


急に彼の顔が曇る。よっぽどめんどくさい相手なんだろう。


「そいつ、すぐ被害者ぶるんですよ。何かあったらすぐ愚痴をいってあーだこーだって。聞かされるこっちがしんどくなります。」


「はは、そうか。じゃあ話さなかったらいいじゃないか。」


「いや、相手が後輩の女の子で、、、なんか冷たくしづらいというか、」


「相変わらずだな、お前は。仕方ない、じゃあ対処法を教えてやろう。」


「え、対処法があるんですか?」


「まあな。そいつ、どーせTwitterでもギャーギャー言ってるんだろ?」


「そうです! バイト辞めたくても辞められない、とか、大学の課題多すぎて死にそう、とか。


僕もそういうツイートはしたことありますけど、その子の回数が異常なんですよ。」


「まあ、そんなもんだろう。じゃあ、対処法を考える前にまずはその心理を知らないといけない。


物事には必ず理由がある。被害者ぶるのも何かしらの理由があるんだ。」


「被害者ぶる人の心理、、、」


「そう。井上くんは何故だと思う?」


「何故って言われても、、、大げさにいってみんなに注目されたいとか?」


「まあ、いい線いってるな。でもそれが理由ではない。もっと根本の部分を考えていかないと。」


「根本の部分? じゃあ僕の答えは表面的ってことですか?」


「そうなるな笑 まだまだ考えが浅いよ。」


「なんか悔しいですね。てか、いつも何でも知っているような言い方をしててなんかムカつきます。」


「はは、それはよく言われるよ。でも知らないことはちゃんと知らないというけどね。」


「はいはい、分かりましたよ。じゃあその根本の部分教えて下さい。」


「うん、じゃあ話を戻して、さっき注目されたい、っていったよね? そしてそれは表面的だと。」


「はい。」


「じゃあなんで注目されたいんだろうね。」


「え、なんでって言われても、注目されたいから、以外にないですよ。」


「、、、、」


「あ〜、もう。また考えが浅い、とかいうんでしょ。」


「ふふ。被害者ぶる人ってのは、私のことを見て、考えて、正して、大切にして、って心の奥で叫んでいるんだよ。


そしてその心の声はどこから出てくるのかというと、


それは本人の無価値観から出てくる。」


「無価値観? 価値を感じていない、ってことですか?」


「そう。もっというと劣等感とも言える。違う言い方をするなら自己愛が足りていない。」


「劣等感、自己愛、、、」


「自分の価値を信じきれていないんだよ。劣等感を感じているといっていい。


だから、構って、大切にして、私が正しいといって、という心の叫びになる。


クレームの度が過ぎる人は、極度の劣等感を抱えているから、相手を攻撃して


自分の価値を高めようとしている。あるいは、自分のことをもっと見て、


という自己中心的な考えに至る。」


「自分の価値を何かで埋めようとしているってことか。」


「お〜、いい分析じゃないか。その通りだよ。」


「それくらい考えられますよ。」


「いいね〜。じゃあ、ここまでを踏まえて、対処法はわかったかな?」


「ん〜、、、」


「おいおい、さっきまでの勢いはどうした?笑」


「うるさいですね〜、あれでしょ、価値を感じさせたらいいんでしょ。」


「まあ、そういうことだな。もっというなら信頼だよ。そして信じてあげる。


お前はお前のままでいい、それだけで価値がある、って。」


「それだけで変わるんですか?」


「全然ちがうよ。思った以上に変わる。あと、そういった心理状況を知っておくと、気がラクになるでしょ?


あ〜、この子は苦しんでるんだな、ってわかれば余裕が持てる。」


「確かにそうですね。なんか掴んだ気がします。でもなんでそんなことわかるんですか?」


「俺も一緒だったからだよ。」


「え?」


「俺も価値を感じれなくて、劣等感に苦しんでいたからだ。」


井上くんの目は見開いていた。そんなに驚くこともないだろうに。
今の俺からはそんな雰囲気が感じ取れないんだろうな。懐かしいあのとき、、、


ピーっと電話が鳴った。仕事だ。


「悪いね、電話がきたからまた今度〜」


そうやって井上くんを置いて去っていった。

劣等感は誰しも持っている。それがプラスに働けば成長につながるが、マイナスに働くと人生を狂わすことになる。
そんな子供を少しでも減らしたい。


見上げると、さっきまで曇っていた空が、無数の星で輝いていた。












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