この記事は前回の記事の理論編となっているので
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【物語編】正攻法という不正攻法〜相手(自分)のやる気を引き出す技術〜
世の中には正攻法というものが存在します。
これこれをするにはこうやったら一番いいよというもの。
それを実践することで結果が出せるしょうし、一番の近道ではあります。
しかし、それではどうしても限界がくるときがあります。
例えば、
①英語を勉強するとき、単語が大事だ、とわかっていたとします。
先生に言われるのかもしれません。
しかし、それだけではほとんどの人はやらないと思います。
結果いい情報を得たのに変わらない。
いいアドバイスをしたのに相手は成長しない。
②アルバイトを雇うとき、これこれは大事だからしっかり覚えて来なさい!
(バイトで必要なのはこれだけだ。)
って言ってもその子は覚えて来ない。
あるいは、自分がそう言われても覚える気にはならない。
③勉強に全然身が入らない、という受験生。
試験に合格するためには、必要なものがわかっているのに
それを放棄してしまう。
なんでそんなことが起こるのか?
それは欠けているものがあるからです。
それが必要性、世界観、楽しさです。
🔹必要性
人は必要にせまられるとやるようになります。
またその価値を知ることで意味を見出します。
①の場合、
どうして単語が必要なのか、
どういう理由から単語が必要なのか、
それを知らせる必要があります。
②の場合も同様です。
なぜそれだけが必要なのか、を伝えないと必要性を感じられません。
そのもの自体の価値がわからないんです。
いいからやれ、ではもう通用しません。
その必要性をしっかりと知らせてあげること。
③ならば、勉強する意味は何なのか、を考えさせる。
はっきり言って生涯勉強です。
勉強しなくて生きていける人なんかいません。
勉強という概念を受験の枠だけに抑えるのではなくて、抽象化させて考えてみる。
勉強することによって、自分の嫌な部分、苦手なこと、逆に得意なこと、
そういったものがわかってきて、嫌な部分を克服することで、それが次につながっていく。
スケジュール管理、苦手克服、暗記方法、過去問研究、人間関係、思考力、、、
それらは受験だけに生きてくるものではありません。
得なことがわかれば、それをこれからも使っていける。
例えば、暗記をするときに自分は視覚的に捉えたほうがいい、とわかったなら
これから物事を考えるときは同じようにして考えたらいい。
2つ目は世界観です。
その先に何が待っているのか
どんな世界があるのか
どんなビジョンの中にいるのか
これを見せるということです。
①なら英語を話せるようになったときに世界を見せてあげる。
それはどんなものでも構いません。
ビデオで見せてもいい
自分が外国人と話しているところを見せて「うわ、すげー」、と思わせることもできるし
自分が英語ができることによって得た知識、経験をみんなの前で話してもいい
自分のストーリーを話してもいいんです。
僕の大学のフランス語の先生はまさにそんな感じでした。
勉強を教えるというよりかは、フランスに凄さ、おもしろさを熱心に伝えるという感じで、
どちらかというと話のほうが多かったです。
先生がフランス語を学びだした理由
それから得た知識
楽しかったこと、辛かったこと
日本とフランスの違い
実際にフランスの食べ物を持ってきたり
それでも学生は勉強をしだすんです。
「うわ〜、フランスいってみたい」その思いがフランス語の勉強のモチベーションになるんですね。
②なら、そのバイト先はどんな目標をもって、
どんな世界観をもってしているのか、を話すことで全然変わってきます。
僕は実際にユニクロのバイトをしていたことがあるのですが、
ユニクロの歴史を教えられたり、その経過のなかでどう変わってきたのか
そしてこれからはどうやって発展させていくのか、
といったことまで伝えられました。
そこまで来ると、自分もそのコミュニティーの一員なんだ、ということが実感でき
やる気も出てきます。
一見歴史や発展、これからの目指す世界観を説明することが直接自分のモチベーションに関わるものではないと
考えがちですが、そんなことはありません。
それが大きな影響力を持つんです。
③ならば、勉強したその先のビジョンを示してあげるといいです。
大学に受かったらこんな面白いことがあるよ
今できないこんなこともできるようになる
いろいろ言い方はあると思います。
最後に
それ自体を楽しくするというもの。
それに必要なのは
例え
日常との結びつけ
ゲーム感覚
の3つです。
勉強をゲームに例える、問題を、敵、と言い換えてみる
単語テストをゲーム感覚になるように工夫する
実際に草むらにいって虫について調べる
街角にいって歴史を学ぶ
数学の発想で日常の問題を解いてみる
(指導者のレベルが問われます。)
勉強とスポーツを結びつけてみる
(抽象度が問われます。)
例えば、九九が苦手で野球をする子に対して、
「野球をするときは素振りとか、地道な努力をしてるんじゃない?
九九もそれと同じなんだよ。素振りもするからバッティングが上手になる。
九九ができるから算数ができるようになる。ね、一緒でしょ?
素振りを頑張ってできるなら、九九の練習もきっとちゃんとできるよ!
がんばろう!!」
というふうに。
そうすると、「あーそっか」と納得してしてくれるようになる。
自分の好きな野球と勉強が結ばれて、結果動き出すようになる。
タイマーを使って他の子と競争させてみたり、
ポイント制を導入したり、
できることはたくさんあります。
①、③なら
達成度合いを手帳に書いて、成長自体、つまり勉強自体を喜びに変えたり、
何人かと競わせて、勝負をさせたり、
実際に外国人と出会わせ会話させたりすることで
それ自体の楽しさが生まれます。
②なら、
例えば、皿洗いを一分間に何枚洗えるか、としてもおもしろいし
(僕は実際やってました。)
そこで働くことで、社会でどう役に立っているのかを
社員に伝えることで、やっていること自体に喜びが与えられます。
要は考え方。
楽しさは外からくるものではなくて自分の内からやってくるものなんです。
正攻法でも結果をだせることもあるでしょう。
しかし、それだけではしんどいし、我慢も忍耐も必要になってくるかもしれません。
そこでひと工夫を加えることで目の前のものが輝いてくれます。
自分でもそれができるように、
そしてあなたが指導するときはそんな工夫をしてやると相手の目の色も変わってくるでしょう。
だいぶと長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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