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【この物語はフィクションです】
今日も飲み会だ。
最近飲んでなかったから久しぶりな感じ。
先輩の人とも会うから若干緊張しているところがある。まあなんとかなるだろう。
とか思っていたら一番仲良くさせてもらっている先輩がやって来た。
ゆうきさんだ。
「お久しぶりです、ゆうきさん。」
「おう、明けましておめでとさん。」
「今日はいっぱい飲みましょうね!」
「相変わらず飲むのが好きやな〜、今日はいっぱい話してもらうで〜」
「もちろんですよ。」
そう言ってみんなが揃うのを待つ。
飲み会は楽しい。だっていろんな人と話せるしお酒を飲んだら会話がポンポンと弾むから。
みんなが揃って席に座る。
新年会であるだけにたくさんの人が来ていた。しかも結構久しぶりの人が多い。
頼んだビールが来るのが待ち遠しい。
「おい、ビールまだけえへんからその間なんか話してよ。」
「いや、僕ゆうきさんみたいに会話力ないんで、お酒がないとダメなんですよ。」
「酒がないとダメ?でも自分でコミュ力あるって言ってたやんか。しかもお前よく飲み会に行ってるやろ!笑」
「まあ、そうなんですけど、なんというか、お酒がないと、、、」
そう、お酒の場でのコミュニケーション能力は相当な自信がある。これまでいろんな人と話してきたから。
「それはな、本当のコミュニケーション能力と言わへんで。」
「えっ?ちゃんと話せてますよ?」
「いや、甘い甘い。お酒に頼ってたらあかん笑」
「そんなこと言わないでくださいよ、ゆうきさんが凄すぎるんです、、、」
ゆうきさんはかなり会話力がある。
でもだからといって自分ばっかりが話すわけでもなく、みんなに話を振ったりしながら場を円滑に進めていく。
ゆうきさんのプレゼンも相当うまい。司会もきっちりとこなす。
「ゆうきさんってなんでそんなに喋りがうまいんですか?
学校でもプレゼンめちゃくちゃうまいし、何かされていることとか?」
前々から気になっていた。喋れない僕にとってただただ羨ましい。
「そんなの簡単やん、日常で練習をしていた、ただそれだけ。」
「日常で練習?」
「そう、その一番の練習場所がどこかわかるか??」
日常でコミュ力を上げる一番の方法、、、大学生にそんな場があるか、、、?
「プレゼンをひたすら頑張る、とか?」
「いや、違うな。」
「えー、じゃあ教えてくださいよ〜。わかんないです、、、」
「今や。」
「いま?」
「うん、いま。正しく言うと飲み会が始まって最初のビールが届くまでのこの数分。」
予想外の答え。いまの時間を使えと、、?
「酒が入ったらそら話せるやろ。それは多くの人がそうや。
でも、いつでも酒があるとは限らへん。
自分のコミュ力を確かめるのに有効なのが、
お酒が入っていないこの場で
かつ、最初のドリンクが来るまでの数分でどれだけ話せるか
どれだけ場を和ますか、ここで力は決まる。」
「なるほど、、」
「俺はとことんここで練習した。まあもともと飲むのが好きやからさ、
飲む機会が多いんやけど、最初の10分くらいはかなり力を入れてる。」
飲み会でこんなことを考えていたのか、、
なんかゆうきさんって不思議なひとだ。普通こんなこと考えないでしょ笑
「時間制限があるからな、短い間での会話にその人の能力が出てくる。
今度注意して周りを見てみたら?その人のレベルがわかるから。」
「なるほど、じゃあ今度見てみます。
あと、今からも練習できますよね!よっしゃやるぞ!」
「はい、ビールをお持ちいたしました!!」
意気込んでいたのに定員が来て水を差された、、、
ついてない。
「ハハッ、まだまだだな、お前は。」
「次こそは、、!」
会話力を鍛えるなら飲み会の最初の10分が勝負。
今回は時間切だったけど、次から頑張るしか、、、
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