自分の子供をもっと褒めてあげないと、
いや、ここはしかるべきなんだろうか、
そんな迷いや自問自答が、教育側(先生、親、コーチ)につきまといます。
「前まではキツイ言葉をいっていれば、相手はやる気を出してやっていたのに、今の子供はむしろ逆効果だ。
だから、褒めましょう、どんどん褒めましょう!」
こんな考えもネットでは回っているでしょう。
しかし、褒めるとは本当にいいことなんでしょうか?
ここでは、褒めることに関して批判的に見ていきます。
わかりやすいようによくある言葉のやり取りをみていきましょう。
①
子供:「お母さん、今日な、点数100点とってん!」
親 :「かしこいわね〜、よく頑張ったわ。次もその調子よ。」
②
親 :「ねえ、いつまでゲームをしているの?お母さんしんどいんだからちょっとは手伝ってよ」
子供:「はいはい。」
親 :「はい、は一回でいいの!そこの皿をきれいに並べといてくれる?」
子供:「やってきたよ、、、」
親 :「やればできるんじゃないの、よくやったわ。」
③
子供:「おれな〜、今日野球の試合でヒット打ってんで!」
親 :「お〜さすが、偉いぞ!」
こんな会話は日常で溢れていると思います。
しかし、ここに大きな落とし穴があることを理解していますか?
今回、出てきた親の「褒める」にはどういったニュアンスが込められていたのか。そこをじっくり考えてみてください。
何がおかしいか、ですよ。
考えましたか?
自分なりの答えを出しましたか?
ここで考えないと、ここで批判的に見ていかないと、日常でも自分の言葉や声かけ、教え方を批判的にみる力が育ちません。
もう一度考えてみてください。
はい、ではみていきましょう。
〜褒めることによる逆効果〜
1、コントロールが信頼を崩す
2、褒めることでの上下関係の構築
3、完璧主義、結果主義への堕落
目次
1、コントロールが信頼を崩す
さきほどの例では、子をコントロールするために「褒める」を使っているのがわかるでしょうか?
自分の上手くいくように相手が動いてくれた、だから褒める。
例①や②でも、自分の思うように(点数をとった、家事をしてくれた)してくれたから。
その「褒める」の背景にあるコントロールの意識を子供は必ず感じ取ります。
そして、その違和感を感じ行動に起こす子供も必ずいます。
そう、反抗する生徒、子供たちです。
子供達はそういった親、先生のコントロールのニュアンスを感じているからこそ、そこに反発心を抱くことになるんです。
先生の親の都合のいいようにしたらなんも言わなくなる。
そうやって割り切っている子供は素直に従ってくれるでしょう。
しかし、それは褒められる嬉しさからくる感情ではありません。
2、褒めることでの上下関係の構築
あなたは、上司を褒めますか?
あなたは先生を褒めますか?
絶対に褒めないでしょう。
「よくやったぞ、課長!!」
「今回の授業は上出来だ、先生!」
こんな言葉をいったことのある人はほとんどいないと思います。
だって、これは失礼だから。
じゃあなぜ失礼なのか。
褒めることにはすでに上下関係の意識が組み込まれているからです。
相手は下、自分は上、この意識がある前提で「褒める」は使われています。
だから反発する子供がでて来るんです。
あるいは、全然褒めても子供が動いてくれないんです。
そういった意識が無意識のうちに組み込まれているから、とても嫌な思いをするんです。
実際、ぼくは昔から褒められることが嫌いでした。
とくに、相手との年の差が近ければ近いほど「褒められる」ことに関して嫌悪感を抱いていました。
当時はその感情を言語化できていなかったのですが、今ならこの上下関係の意識があるからだとわかります。
もう一つ、それは「無理だろうな」というニュアンスも組み込まれているこいうことです。
相手ができると思っていなかったから褒める言葉が出てくるときがあります。
例えば、例①のように、いつも60点や70点だから100点をとった時に褒めるんですよね?
もし、いつも90点や100点を連発していたら、あなたは褒めるでしょうか?
3、完璧主義、結果主義への堕落
子供が70点を取りました。
あるいは、
野球の試合でヒットを打ちませんでした。
そんな時、あなたは子供を、相手を褒めますか?
褒めませんよね。
だって結果が全てだからです。完璧主義も含まれています。
つまり、70点ではなく、85点、90点(という結果)だったら褒める。
ヒットを打つ(という結果)だったなら褒める。
これは相手を勇気付ける言葉にはなっていません。
結果を残さないとダメなことになります。
そうすると、努力をしても無駄だと感じることもあるのではないでしょうか。
じゃあどうしたらいいのか?
ここをもう一度考えてほしいです。
これからの教育のためにも。
長くなったので、続きは次回に持ち越します。
見ていただいてありがとうございました。
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