こんにちは、久次米です。
今回は教育に新しい視点をもたらしてくれる本を厳選して3つ紹介しようと思います。
普通に過ごしていると、どうしても視野が狭くなったりして、おかしいことも当たり前になってしまうんですね。
そんな常識をぶち破ってくれる本がありますので、ぜひ興味を持った本は読んでみてくださいね!
では早速いきましょう!
目次
オススメ本3選!
1 学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる! 名門公立中学校長の改革
まず最初に紹介するのはこちら!
千田区立麹町中学校長が書かれた本です。
この本の特徴はとにかく、常識という常識を潰しまくっているという点です。
本に書かれてある内容として、
・宿題廃止
・クラス担任廃止
・中間、期末テスト廃止
・運動会の行進も廃止
・生徒指導の見直し
・自立した生徒の育て方
・対立意見との立ち向かい方
・生徒が作る旅行計画
などなど、普通の学校にはないことをたくさんされています。
ただここで知っておいて欲しいのが、何でもかんでも変えたらいい、という考えでやっているわけではないということ。
宿題の廃止一つにしても、そもそも宿題の目的を考えていくと、できないをできるに変えることのはずだ、と
それなら勉強ができる生徒にとっては宿題はただの作業になってしまっているし、できない生徒にとっては難しくてできず結局身についていないんじゃないか、という考えで廃止に至っています。
そうやって、「手段と目的を見直そう!」という姿勢で一つ一つ改革を行なっているんですね。
一番僕が学ばされたのが、改革に至るまでのプロセス。
決して校長がトップダウンで改革をしていっているのではなくて、とことん話し合って、とことん教員から意見を出してもらって、みんなで目的を明確にして同じ方向に向いていってるんですね。
校長の鶴の一声で行うのは楽だし、改革にも時間がかからないけど、それでは学校の文化として残っていかない。校長が変わってしまったらまた元どおりになってしまいかねない。
そうならないように、教員全体で話し合って、意見をすり合わせて今に至っているんやな、ってことを強く感じました。
とにかくこの本でなんども出てくる言葉が「手段と目的」「自立」です。
それを常に意識されて教育活動をされているんですね。
2 校則なくした中学校 たった一つの校長ルール
続いてはこちら。
こちらも様々な常識をぶち破っていってくれている本です。
なんかね、僕がこの本を読んだ後に感じたのが、「あたたかさ」でした。
1冊目は切れ味があってスタイリッシュ!ってイメージがあるんですが、こちらの本はポワーンとする感じです。(あくまで僕のイメージ・・・)
著者は世田谷区立桜丘中学校長。
内容としては、
・服装自由
・定期テストがない
・登校時間はいつでもオッケー
・校長室は生徒のたまり場
・好きな教員と話せる「ゆうゆうタイム」
・宿題いらない
・授業中に寝ていても起こさない
・授業開始と終了のチャイムがない
・授業中に廊下で勉強してオッケー
などなどです。とにかくあらゆる校則がないんです。
でも、元々はこの学校も規則に厳しく、生徒指導のために怒号が飛んでいたそうです。朝礼のときも他の先生が怒鳴って生徒を並ばせていました。
しかし、怒鳴っても気持ちよくないし、どうしたらいいか、と考えたときに、「生徒がざわついてもかまわないから」と西郷校長は教員の方々にいったそうです。
本文では、
生徒が騒ぐとしたら、朝礼台の上から私が発している話が、つまらないからです。面白い話だったら、きっと耳を傾けるはずです。
と書いてあります。
『朝礼できちんとさせること』が学校生活でいちばん大事なことではありません。いつの間にか、学校全体で大事なことを見失っていたのです。ではいちばん大事なこととは?それはただひとつ。子どもたちが。幸せな3年間を送ること。それだけです。(省略)
『子どもは管理するものであり、教員が指示を出すもの』こういう固定概念が教員の中にあるのです。
教員の相手はいつも生徒です。だからいつの間にか調子に乗って、いつの間にか自分は正しいと思い込んで、いつの間にか子どもを管理する対象とみてしまう。
そうなっていない教師の方々もたくさんいらっしゃると思いますが、本当に意識しないと変わりませんよね。
そうやって今までの「常識」を崩していって、細かなルールも無くしていって、「いうことを素直に聞く生徒」が「良い子」ではなく、「自分の頭で考える生徒」を育てるべきだ、その思いで改革をされていったそうです。
その具体的なプロセスは本の中で詳しくかかれています。全てをここで書くことはできませんが、ほんとうにほんとうに大事なことが詰まっています。
教師に仕事ってなんだったんだろう
教育って何をすることだったんだろう
そんなことを改めて考えさせてくれるのがこの本です。
3 いま、ここで輝く
最後はこちら。
イモニイこと、井本陽久さんの本です。
東京大学出身で数学教員として働き、20年以上前からアクティヴラーニング型授業に取り組み続けている最も注目されている教育者の一人です。
彼の2016年から始めた私塾の「いもいも」での子どもの様子はびっくりします。そこでは井本さんは叱りもしないし、怒りもしない、むやみに褒めない、トコトン教えもしない、それなのに多種多様な子どもがそこですくすくと育っていくんですね。
本文中で気になった文章や井本さんの言葉をサッとあげてみると、
●宿題は出さない、ライバルはスマホやゲーム機
●(ある日の教員研修で宣言した言葉)
「これからの授業は〈できる・できない〉や〈理解した・理解していない〉ではなくて、生徒たちが授業中に本気で考えているかどうかの一点にこだわって組み立てます。」
●(どうやったら子供を伸ばせるんだろう、という言葉に)
「何言ってんだよ、伸ばさないよ。子供たちは勝手に伸びるんだよ」
●教室がうるさいときに、井本先生はみんながおしゃべりをやめちゃうようなエサをまくんです。
●(子どものそれぞれのいいところを伸ばす、という言葉に対して)
「『いいところって誰が決めてるの?その時点で大人の価値観で子どもを『評価』しているじゃん。』
●井本さんは、神経質に分析的に子どもを観察しているわけではなくて、包み込むように接してるんです。
●教員じゃなかったらしないことは、もうしない
●『子どもが「ふざけ」「いたずら」「ずる」「脱線」しているときは、いちばん自分の頭で考えているときなんです。それをむやみにストップしてしまうのはもったいない。むしろそれを活かさないと。一般的に悪いとされることのなかにも、子どもの良いところを認めるようにすると、子どもは自分で考える子になっていきます。』
などなど。
中でも、一番僕の心にぐさっときたのが、
教員になりたてのころ、友達と渋谷の雑踏を歩いていると、前を歩いているひとが、閉じた傘を水平に握って前後に振りながら歩いていた。尖ったところがこちらに向く。そのときに、「なんだよ、こいつ、ふざけんなよ」って怒りを覚える自分がいた。
「大学時代までの僕はそんなこと思いもしないんですよ。学校に入ると、生徒をいろんなところで指導するじゃないですか、先回りして。その感覚が自分自身の価値観として染み付いてしまったんでしょうね。」
でした。
教員をしていると、生徒を指導する対象としてみなしてしまうことがあります。いや、ほとんどそうかもしれません。
僕も教育実習の頃、「ツーブロックを許すとモヒカンまで発展しかねないのでダメです。」というよくわからない理由に違和感と怒りを感じていたのに、
今ではそれが当然のように感じてしまっていました。学校にいてると自分の違和感がどんどん消されていってしまっていくような気がして怖かったです。
この本を読んで、改めてその時の気持ちに戻ることができました。
本文の内容を全て語ることはできませんが、教育ってなんなんだろう、ってことを改めて考えさせられる素晴らしい本です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
3冊とも紹介させてもらいましたが、どれも今までの教育観とは違った内容になっています。
もちろん、今の学校教育自体が悪い、という意味でお伝えしているつもりではなりません。良いところはどこにだってあります。
でも、時代が変わり、今でも変化し続けている時を過ごしている僕たち指導者はその変化に対応して内容を変えていかないといけないと思っています。
これからも学び続けて、僕も頑張っていきたいと思います。
興味があったらぜひ一度買って読んでみてください。
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