こんにちは!最近右手の人差し指の爪が横から割れて痛い思いをしている久次米智です笑
最近はコロナの影響もあって、学校現場でも映像授業を撮ってYouTubeにあげることが多くなってきました。
ただ、映像授業って結構難しいんですよね・・・何が難しいかというと、対面と違って生徒の様子が見れないし、リアルタイムじゃないため、飽きたら生徒にスキップされたり、見られなくなったりするわけです。
それをできる限り解消して、先生方が作ってくださっている動画がより生徒に届けられるように、より観られるようになったらいいなと思っています。未熟ながらですが、YouTube歴7年の僕が少しばかり「こんなこと意識してますよ」ということをお伝えできたらなと思います。
じゃあ、いきますね!
目次
映像授業と対面授業の違い
そもそも、対面授業と映像授業はどう違うのでしょう?
映像授業は、対面授業と違って、
・簡単に動画をスキップできる
・生徒との絡みがない
・生徒の様子がわからない
・動画視聴の環境は人それぞれ
・観終わる必要がない
・対面よりも授業時間が長く感じる
ということがあります。さらに、学校現場となるとYouTubeに動画をただあげるのと少し変わってきます。
YouTubeにあげてそれを観てくれるのは、すでに「見たい!」という思いのある人たちです。英文法を学びたい!と思っている人が例えば僕の動画を見つけて視聴してくれます。
でも、学校配信では「観たくもない」「勉強したくない」という思いのある生徒にも届けないといけない、わけです。ここに大きな違いがあります。
ただYouTubeに動画をあげるのとは違ってハードルが高くなるんですね。だからこそ意図的、計画的に動画配信をする必要があると僕は思っています。
でも、もしここで僕たちの授業スキルをあげることができて、動画配信でも生徒の心を掴むことができたら、めちゃくちゃ大きな成長になりますよね!
これからお話しする内容は僕が意識しようとしていることなので、完璧にできているわけではありません。でも、少しでもヒントになったり、何かの気づきになったら嬉しいなって思います。
では早速いきましょう!
生徒を惹き込む5つの工夫
1 開始30秒で目的・目標、世界観の提示
一番大事なのはこの部分じゃないでしょうか。これは対面授業であっても同じですが、特に映像授業の場合はマストなものです。
映像授業は、なんの目的もなしに動画を観ると簡単にスキップされたり、ボーッとしていつの間にか時間が経ってしまっていた、ってことになります。
それを防ぐために僕は、動画内の目的・目標、あるいは世界観を話すようにしています。
世界観とは、この動画を観たあとにどんな状態になっているのか、どんな未来が待っているのか、というものです。
例えば、高校英文法の「to不定詞」のところの導入だとこんな風に言えます。
「to不定詞」って中学生のときにつまづいて苦手意識持ってる人って多いんちゃうかな。なんか、「なんとか用法」とかいっぱい出てきて「もうイヤだ〜」って。
でもそんな人でもわかりやすいように、できるだけシンプルに解説するからちょっと頑張ってほしいな!この動画でスッキリさせて、もう「to不定詞」で悩まずに他のことに時間が割ける高校生活にしようや!
これはあくまで例ですが、こうやってto不定詞の動画を観て学んだ後の世界を示せれると、観ようって気になりますよね。
特に苦手なものとかわかりづらい分野では先にみんなの「苦手の声」を代弁しておくと、観てもらう率が高くなります。
また、ナンバリングも効果的です。
今回の動画でのポイントは3つあんねんな。一つは〇〇、もう一つは〇〇、そして以上2つを踏まえて〇〇を理解すること。これを頭に入れてくれてたらこの動画を観た価値はあるとおもててな!んじゃ、さっそく一つ目いこかっ!
こうやってナンバリングをして動画内の目標を明確にしておくと、
「3つとも早く知りたい!」
「どうせなら1つだけじゃなくて3つとも観たい」
「3つだけ意識しとこ!」
という感覚になって、メリハリをつけて生徒に観てもらうことができます。
2 スピード感
1と同じほど僕が大切にしているのが、このスピード感です。(とか言いながら生徒には、「もっと動画にスピード感がほしい」と4日前に言われましたが笑)
スピード感を高めるには、
① 話すスピード
② 板書の時間の工夫
③ 無駄な繰り返しを省略
があります。
① 話すスピード
話すスピードは早口くらいでちょうどいいです。早口で話すことで、生徒が集中してそのはやさに付いていこうとしますよね。
その緊張感が飽きさせないためにすごく大事になってきます。具体的にどのくらいのはやさがいいのかは撮った動画を自分でみてみるしかありません。
観てて退屈やな
余裕がありすぎる
考えごとをしてても付いていける
というようでしたら、はやめたほうがいいです。
② 板書の時間の工夫
板書も工夫が入ります。手段として、板書内容をあらかじめ書いておくか、板書のスピード(書くスピード)をあげるか、板書しながらでもトークを交えるか、です。
特に、板書のときの無言の間ってすごいイヤじゃないです??できるだけ無駄な間は減らして、観ている人が忙しくなるような工夫をすることで緊張感をあげられます。
③ 無駄な繰り返しを省略
自分で動画を撮るとわかりますが、一回言えばわかるのに、同じことを繰り返して言っていることがよくあります。言い換えてるつもりでも、ほぼ変わってないやん!的な笑
確かに、意図的に繰り返すことは必要です。頭に残してほしいために、僕も3回連続で全く同じことを言ったりもします。
でも、意図していない同じ言葉は観ている側からすると「またか〜」となるし、ダラダラ感が出てくるので注意は必要ですね。
3 惹きつける話し方
僕がどれだけ生徒を惹きつけているのかは正直大いに疑問ではありますが、こんなことを意識して日々ガンバってますっていうのをご紹介します。
中には動画授業でなくても普段の対面授業からも意識されていることも多いとは思いますが、改めて炙り出してみました!
① 意図的な「間」の演出
② 「声のトーン、抑揚」
③ 「ジェスチャー」はオーバーに!
④ 意外な「関西弁」の効果
⑤ 時には「寸劇」も!
① 意図的な「間」の演出
先ほど「話すスピード感が大事!」という話をさせてもらいましたが、スピード感のある授業であるからこそ、急に「間」が置かれるとそこはとても強調されます。
「えっ、今までスーッとテンポよく話してたのに、急に何??」
ってなるからです。
あるいは、生徒の頭の中が「???」になりそうな場面があれば、そこで一瞬「間」を作るのも効果的ですよね。
この間を作るのはとにかく実践してみること。実践して、自分の動画を見直して、「ここに間を作ったらよかったな〜」っていうのを見つけてみる。
ほとんどの先生は自分の授業を客観的にみたことがないと思うんですね。だからこそ、自分で自分にフィードバックすることでクオリティーの高い授業がすぐに作れると思いますよ!(僕は何度も何度も練習して少し上手になれました。)
② 「声のトーン、抑揚」
僕がYouTube上でよくやる手段ですが、特に聞いてほしいところは声を小さくします。
授業をどれだけ集中して観てても、動画である以上、どこかで集中力は欠けます。
生徒が動画を観ている最中に、
・LINEの通知が来ることも
・家族が急に話しかけてくることも
・友達から電話がかかってくることも
・外から誰かの遊んでいる声が聞こえてくることも
あります。
だから100%の集中力でずーっと観ていることはほぼありません。対面授業なら注意ができたり、周りの圧力があるのである程度は緩和されますが、映像授業はそれができない。
だからこそ、普段よりもさらに意識して声のトーンや、大きさを変える!
急に高いトーンでキーワードをいうことも、あえてゆっくりいうことも、小さい声でいうことも大事。大事どころか絶対やらないといけない!くらいに僕は思っています。
③ 「ジェスチャー」はオーバーに!
ジェスチャーはとにかく大きく
表情も普段よりオーバーに
画面の端から端まで使う
ということを意識しています。
動きがない画面って、飽きませんか??これは僕だけでしょうか?
ずっと同じところに立って話だけされても退屈ですよね。ましてやジェスチャーもなかったらそれこそ地獄です笑
だから英語のイメージを体で大きく表現したり、顔の表情を意識的に大きくしたり、画面の右から左まで移動しながら表現していきます。
あとで紹介しますが、時には寸劇もやったりします。
④ 意外な「関西弁」の効果
僕はYouTubeを始めてから意図的に「関西弁」を使っていました。
理由は
・親しみを持って欲しいから
・関西弁で解説しているYouTuberがほとんどいないから
です。
今教師をされている方は、動画配信を勤務校の生徒に対して配信するはずです。だったら自分にしか作れないものを作るべきです。全国に届けるわけじゃないですから。
僕が実際、関西弁を使うことで、関西の人はその話し方に親しみを持って観てもらえやすくなりました。(「関西弁が心地いい」みたいなコメントもいただいてます。)
逆に、僕の場合は関東弁のようなもので話すとどうしても話し方が固くなって聞き心地が悪いなと思ったんですね。
何だか動画撮影となると、あらたまって、変に意識しちゃって慣れない話し方になっちゃう人が多いみたいです。
だからこそ、自分が話しやすい感じで、そして生徒が聞きやすい、スーッと耳に入ってきやすい感じで話すのが一番ですよね。
⑤ 時には「寸劇」も!
僕はたまに寸劇を入れることがあります。英文法を教えていて、どの場面でどういう風に使うの?と曖昧なものをクリアーにするためです。
勝手に一人二役して遊んでいるだけですが笑
普通にダラダラと説明をしているだけでは観ている方もつまらないし、説明しているこっちも疲れるので、息抜きとしても入れてます。
ただ、あまりにそこの印象が強すぎたら肝心の中身が生徒の頭に残らないので注意してください。「あの話おもしろかった〜」だけで終わってしまったら意味がないので!
4 効果的な質問
生徒が受け身にならず、動画に参加できるようにするには質問が効果的です。
ちょっとした質問をしてみたり、一問一答をチラッと挟んでみたりすることで動画の内容を頭に入れながら観ているかどうか、を本人に確認させることができます。
質問してみたときに、わからないものがあったら
「うわ〜、なんやったかな、それ」
「この前見たのに忘れてしまった〜」
「お〜、しっかり見てたから覚えてる〜♪」
みたいに自分の理解度を客観的に判断させることができます。
そこで「もっと集中して観よう!」という気持ちになってもらったり、「次こそは答えれるようにしよう!」とモチベーションにも繋がったり、「ちゃんと覚えてた!」という確認にもなります。
動画のはじめに前回の復習としてでもいいですし、ふと動画の途中で振り返りの意味も込めて入れてみたり、あるいは動画の最後にまとめの復習として入れてもいいですね!(僕はほぼ全ての動画で質問を入れてます。)
5 リアル感の演出
僕もよくあったんですが、動画撮影となるとどうしても「完璧にしたい!」という思いが出てきてしまうんですね。
でも、それだとなかなか動画作成が捗らなかったり、作るのに時間がかかったりして撮影がおっくうになってました。
そこでふと考えたんです。「ちょっとした失敗はむしろ長く動画を観てもらえる演出なんじゃないか」と。そう意識を切り替えて、少々の失敗は気にしないようにしました。
例えば、板書の間違いに途中で気づいたら、そこで撮影をとめるんじゃなくってその場ですぐに訂正して進んでいく。そのほうが見ている側からすると「リアル感」がありませんか??
(ミスが大きすぎたら撮り直した方がいいですね・・・)
間違いがある方が実際に生の授業を受けているような感覚で、また時には間違いを見つけて焦った自分の様子をそのまま動画にしてしまえば、生徒からするとツッコミどころが出てきますよね。
親しみ感も出てくるし、なんとなくツッコむ「間」があったりして、詰まり詰まった動画じゃなくなります。
大事なのは、生徒が受け身じゃなくって能動的に動画を観てくれること!そのための一つのやり方かなと思っています。
6 有名YouTuberと差別化!
有名YouTuberにはなくて、僕たち教師にしか持っていないものがあります。有名YouTuberにはできなくて、僕たちにできるものがあります。
それは、学校の良さと生徒のカラーを知っていること!
そして、学校の先生は生徒にとって身近な存在であること!
授業中に自分たちの学校の生徒にしか響かない言葉を言えるのが僕たち教師だし、たとえ話を生徒の身近なものになぞらえて言えるのも僕たちだからこそです。
それはYouTuberにはできません。だって不特定多数の人に発信しているからです。
教師が動画をあげる場合、特定多数の生徒に向けて動画をあげるので、すでに相手は誰かがわかっています。だったら、その生徒に響くように、おもしろいと思ってもらえるように工夫ってできますよね!
7 自分をさらけ出す勇気
最後になりましたが、自分をさらけ出せる人って強いと思います。
自分をさらけ出す、とは主にここでは
① 動画において自分の顔出しをする
② 自分の素の状態、弱さを見せる
ことです。
顔出しするなんて、、、って思う方の気持ちもわかります。自分の顔が動画で流されるわけですから、抵抗感はあります。
もしかしたら生徒に画像を加工されてSNSに流されるんじゃないか、とか余計な不安感も出てきたりします。
でも、顔出しするって、生徒に与える安心感が半端ないんですね。これはコロナで映像授業配信になってから他校の生徒に実際に聞いたんですが、「顔出ししてほしい」という意見が圧倒的に多かったです。
理由を聞いたら、
「1学期に授業をしていないから誰が動画を作ってるかわからへん」
「どんな先生が授業してるのか想像できひん」
「なんか普通のパワーポイントやったら機械と勉強してるみたい」
「顔が出てると安心感があるし、親近感も湧いてくる」
などなどたくさん意見をもらいました。
もちろん、パワーポイント等であっても飽きさせないような工夫をされている人もたくさんいらっしゃると思うので、一概に顔出しの方がいいわけではありません。
でも、どんな人が動画を作成しているのかは知りたいですよね。
また、② 自分の素の状態、弱さを見せるでは、かしこまった自分よりもちょっとスキのある自分を見せる方がいいんじゃないかと思っています。
普段の授業では日常の話をすることってあるはず。
確かに動画では時間が限られているため、余計なことを言う時間が少ないです。でも10秒でもいいから自分のカラーが出るようなことを言えたら生徒も愛着を持ってくれるんじゃないでしょうか?
例えば、動画のはじめに、
「昨日、ランニングしてたら急な雨でビッショビショになりました・・・」
と言ってからスタートしてもいいですし、
僕なら英語の例文に関係して、留学中の恥ずかしい話を10秒ほど挟み込んだり、逆に例文を少しおもしろくして突っ込んでみたり、そもそもこの記事のスタートも、
こんにちは!最近右手の人差し指の爪が横から割れて痛い思いをしている久次米智です笑
の文から始めています。
ほんとちょっとしたことでも、その一言があるかないかで授業っておもしろくなるんです。「いつもの授業ならおもしろいのに動画の中ではカチカチやん」って思われるのは僕はイヤです笑
自分をさらけ出して、失敗談とか恥ずかしい話とかサラッと10秒ほど入れたりしながら、生徒との距離を詰めていくのも必要かなと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
僕はこの記事を書いている中で、まだまだ意識できていなかったり、習得しきれていないものがたくさんあるなと感じることができました。
伸び代しかないですね!笑
皆さんも映像授業を作るのは大変だと思いますが、僕はちょっとでも生徒にとっていいものを作れたら嬉しいし、自分が時間と労力をかけたものが役に立つと報われます。
そのために日々研究しながら授業を頑張りたいなと思います。
それではここまで!
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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