指導者に必要な五つの要素〜③教えるスキル〜

さて、今回は

指導者に大切な要素のうちの

教えるスキル

についてお話していきます。

この教えるスキルにはさまざまあり、また
人によって全く違ったアプローチをとるので
一概に、これだ!、といえるものではありません。

ですので詳しいことはこれからどんどん発信していきたいなと
思っているので、いいんですが
今回はその根本の話をしようかなと。

教えるときにぼくが意識していることが2つあります。

わかる<できる<教えられる

ティーチング(teaching)、
ファシリテイティング(facilitating)、
コーチング(coaching)

です。

①は理解しやすいと思います。

何かを教えるときに、相手が説明を聞いて「わかる」レベルなのか
          それが「できる」レベルなのか
          それともそれを他人に「教えられる」レベルなのか

の3段階わけが大事になっていきます。

「そんなのわかっているわ!」

って人がいるかもしれませんが
はたしてそれをどれだけ実行に移しているんでしょうか?

具体的にどんな手法をとっているんですか?

それがさらっと答えられる方は大丈夫です。
常に意識しているからこそできるんですね。
しかし、この質問で即答できなかった方は
行動に移していない、もしくは意識しきれていないってことです。

具体的にいうと、
学校の授業でやっているのが「わかる」レベルのものです。
(説明をきいてもわかっていない生徒はいますが)

そして、定期テストは「できる」を要求しています。

しかし多くの場合、「教えられる」までに到達する訓練が
できていないのが現状です。

これは指導者側の話ではありません。

生徒側の話です。

生徒がある問題の答えをきっちりと他人に説明できるかどうか
までのレベルにいけて初めて生徒が理解した、ということになります。

問題ができる、ことは大変素晴らしいことですが
それがたまたまあっていただけってこともあります。
勘違いしていて、でもそれが偶然に合っていた、など。

できていてもそれを説明する力がないということは
根拠をきっちりと把握できていないということです。

とくに受験や勉強に関することには
これが非常に必要となってきます。

ですからぼくの場合、あぶないなと感じたら必ず
生徒にその問題の説明をさせます。
説明できなかったならそれは理解しきれていないということだからです。

さて、②は、

ティーチング(teaching)、
ファシリテイティング(facilitating)、
コーチング(coaching)

違いがわかるでしょうか?

teachingは何かを教えること。

これはこうだよ、
こんな時はこういう風にするんだよ

と言った具合にその答えを教えるということですね。
指示、アドバイスをすること、とも言えます。

facilitatingは相手が答えまで届くのをサポートすることです。

たとえば、相手が時間内に答えが解けないことを
悩んでいたとしましょう。

teachingではすぐに答えをいうことですから
先生は、
「じゃあ、日頃からタイマーを使おっか!」
みたいな感じで終わります。

facilitatingでは、

先生:「じゃあどうしたらいいと思う?」
生徒:「んー、問題をとく」
先生:「じゃあ、問題を解くだけでいい?それで早くとける?」
生徒:「そしたら、時間制限してみる」
先生:「そうだね、じゃあ時間制限するのに何かいい方法あるかな
    たとえば、なにか道具を使うとか?」
生徒:「タイマーとかを使うとかかな?」
先生:「お、いいやん、じゃあそれでいこう!!」

になります。
あくまで答えを出すのは生徒自身。でもそれを導くのは先生です。
相手に考えさせて、思考する能力を養ってあげる。

そこであまりにかけ離れた答えになってしまったら、
こちらが質問や、そうした後の結果がどうなるかを伝えて
修正してあげる。

質問の仕方を変えたりしながらうまく導いてあげるんです。

これがfacilitating

最後にcoachingです。

これは指導者がある答えに導くのではなく
相手そのものに問題解決を託すというもの。

こちらが質問をしたり、投げかけをして
相手に考えてもらって、相手自身の中から答えを出してもらう
というものです。

これは相手(教えられる人)のレベルが高ければ高いほど
有効になります。

相手が知識や経験を持っていて、
自身の中に答えがある場合がいいですね。

facilitatingとの違いはなにか、というと
答えが指導者側にあるか、それとも相手側にあるか、の違いです。

たとえば、
相手がある程度勉強の仕方がわかってきたなら

「自分の日程と合わせて期末テストまでどんな風にスケジュールを
 立てたらいいんかな?」

と質問を投げかけて自身で予定を作らしてみたり、

仕事場なら

「この問題を解決するにはどんな方法があると思う?」

といった質問を投げかける。

これがcoachingです。

ただ、大事なのはどれか一つだけが必要ってことではないということです。

状況によってこの三つを使い分ける必要があるんだと
いうことなんですね。

こんな失敗例を見てみましょう。

生徒:「先生、ぼく暗記の方法がわからないんです」

先生:「んー、そっか、じゃあどうしたらいいとおもう?」

生徒:「んー、とにかくがんばる!!」

先生:「それだけじゃだめだよ、ちゃんと考えないと」

生徒:「(いや、それがわからないから聞いているのに、、、)」

こんなふうに一見coachingをしているかに見えますが
そもそも相手の中に知識がない場合はいくら考えても出てきませんよね?

これだとどうでしょうか。

生徒:「先生、ぼく暗記の仕方がわかんないよ〜」

先生:「なるほどね、どんなんがいいとおもう?」

生徒:「んー、とにかくがんばる!」

先生:「そうだね、でもそれだけじゃああかん。たとえばこんな話がある。
    人は寝ているときにその日におこった出来事を、つまり記憶を整理するらしい」

生徒:「え、てことは、テスト前でもしっかり寝ないといけないこと??」

先生:「そういうことやな。寝ないと記憶が整理されないままやからし
    せっかく覚えても記憶はグチャグチャのまんまや」

生徒:「なるほど〜、じゃあしっかり寝る」

先生:「そうや。あとは寝ているときに記憶は整理されるから
    暗記はどんな時間帯にやるといいかはわかるんちゃう?」

生徒:「んーと、てことは夜寝る前ってこと?」

先生:「そうや!夜だけじゃなくても昼寝前にもしておくと
    いいよな!」

生徒:「てことは、俺いつも昼寝を3時にしているから、2時くらいから暗記をして
    そこから昼寝することにする。先生、ありがとうございました!!」

どうでしょうか?

ただ、答えを当たえるのではなく、
まずは前提知識(寝ているときに記憶は整理するんだ)をあたえて
そこからどうしたらいいかを考えさせてあげる。

また本人が2時にいつも昼寝をしているのは
本人しかしらない情報でしたから、生徒は自分で答えをだしたことに
なります。

つまり、
teachingとfacilitatingとcoachingの組み合わせです。

だから、どれか一つだけがいい、というのではなく
状況に応じて使い分けが大事なんです。

相手や時間によってはあっさり答えを与えることも
悪くはありませんが、相手に考えてもらうという能力を養う手助けは
必要かと思います。

はい、では今回は教えるスキルの話でした。

例文はぼくが勝手に作ったので
なんや、これは、と思っている人がいたらごめんなさい笑

ありがとうございました。

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子育てに悩む親、後輩、部下を持つ会社員、塾の講師、、、 あらゆる教育者のためのブログです 体の内から爆発を!